5月30日発行の『PNAS(Vol.120, No.23)』に共著論文「Mapping potential conflicts between global agriculture and terrestrial conservation」が掲載されました。

世界各地の動植物が生息する地域の保全は生物多様性確保の観点から重要ですが、無秩序な農作物の生産や畜産の拡大がそうした生息地域の生態系に大きなダメージを与える可能性があります。本研究は、約7千種の生物種が生息する地域のデータの分析から「保全優先度」という新たな指標を導入して土地を評価するとともに、国際取引されている48種類の農畜産物についてその主要な生産地域と保全優先度の高い土地が重複する(コンフリクトする)様子を分析と可視化によって明らかにするものです。その要因となりうる農畜産物が生産国から消費国へと流通する様子を可視化し、ダメージのある土地と遠く離れた輸出国に住む消費者の関心を高める効果も期待されます。

Mapping potential conflicts between global agriculture and terrestrial conservation
雑誌名:The Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)
著者名:Nguyen Tien Hoang, Oliver Taherzadeh, Haruka Ohashi, Yusuke Yonekura, Shota Nishijima, Masaki Yamabe, Tetsuya Matsui, Hiroyuki Matsuda, Daniel Moran, Keiichiro Kanemoto
論文URL:https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2208376120